ステロイド=副作用が怖い、というように考える方もいると思います。
ですが、ステロイドには、飲み薬、吸入薬、塗り薬と様々な使い方があり、それぞれ副作用の頻度や症状、治療できる病気が全く異なっています。
特に塗り薬では、副作用について過剰に怖がられている傾向が強いと感じています。
今回の記事ではなにかと誤解の多い”ステロイド外用薬(塗り薬)”について書いてみます。
目次
ステロイド外用薬(塗り薬)とは?
ステロイド外用薬は塗り薬として、アトピー性皮膚炎やかぶれなどの治療に広く使われています。
ステロイドは、体の中の副腎という部位から作られるホルモンに似た成分のことを一般的には表しています。
速効性があり、とても切れ味よく効果を発揮する薬です。
しかし、”ステロイド”という単語を聞くだけで使いたくない!と思う方も多いのではないでしょうか?
薬剤師としては、強すぎる恐れや誤解をもたずに賢く効果的に利用していただきたい!!と常々思っているので、Q&A形式でステロイド外用剤についてのありがちな不安に対する正しい認識をお伝えします。
Q1、ステロイドを使うと皮膚が黒くなりますか?
しかし、炎症により皮膚が黒くなる事があります。
ステロイドを使用される方は、かゆみが強かったり、湿疹ができていたりと、皮膚が炎症を起こしていることが多くステロイドを塗った部分が黒く色素沈着してしまう場合が多々あります。
ステロイドの塗った場所と色素沈着の部位が同じである為、色素沈着の原因がステロイドだと考えがちなのですが実際の原因は塗り薬ではありません。
Q2、ステロイドは皮膚に蓄積しますか?
A2、皮膚に蓄積することはありません。
ステロイドは体の中でも作られているホルモンの中の一種類です。
特に塗り薬や吸入などの全身ではなく部分的に効果を発揮するものでは安全性が高いです。
ステロイドの飲み薬も蓄積することはありませんが、長く飲み続けることにより自分で体内で作る力が弱くなるため、薬を中止する場合には段階的に減らしていくなどの工夫が必要です。
Q3、一度使用するとやめられなくなりますか?
A3、よくなればやめられます。
ざっくりとした目安ですが、手でなでてみてつるつるならやめられる可能性もあります。
主治医の判断にはなりますが、少しずつステロイドを使用する頻度を減らしたり、保湿剤のみでの治療に移行したりします。
ステロイドの塗り薬を使用する場合、強い薬を長期で使用するとニキビや皮膚萎縮の原因となる為、短期間での使用が原則となります。
ステロイドの強さには5段階のランク付けがされており、症状が酷い場合には最も強いStrongestクラスの薬を短期間(1~2週間程度)用いて症状を落ち着かせ、弱い薬に変えていきます。→ランク表
Q4、ステロイドを使うと骨が弱くなりますか?
A4、ステロイドの塗り薬で骨が弱くなる事はありません。
骨が弱くなる可能性が考えられるのは飲み薬のステロイドです。
病気の急性期に広く使用されていますが、長期に服用する場合に骨への影響が心配されます。
該当する患者さんには、骨を強くする薬が一緒に出されることで対策がされています。
以上に患者さんと接していてよくいただく質問の答えを記載させていただきました。
読んでいただいた方の不安が少しでも解消されれば幸いです。
もし他にも疑問があれば、答えさせていただきますのでご連絡ください♪
それではまた(^^)/

rina

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