肝臓病、と言われたときに何が思い浮かびますか?
肝臓がん、肝硬変、C型肝炎…どのような治療を行うのでしょうか?
今回は代表的な肝臓の病気について取り上げていきます。
肝臓病、と言われたときに何が思い浮かびますか?
肝臓がん、肝硬変、C型肝炎…どのような治療を行うのでしょうか?
今回は代表的な肝臓の病気について取り上げていきます。
目次
肝臓病としてまず挙げられるのが肝臓がんです。
日本人のがんの死亡原因としては、肺がん、大腸がん、胃がんに続いて高い割合を占めています。
他の部位のがんと比べて再発確率が高いこと、他の部位では発見から1年以上経っても生存している方のその後の生存率はどんどん上がっていくのに対し、肝がんでは生存率が上がっていかないことが特徴です。
肝臓がんでは、他の部位のがんと異なり、以前のがんの取りこぼしや見逃しによるものではなく、新しく病巣ができるタイプの再発が多くみられます。
肝臓がんの原因の第1位はC型肝炎、2位はB型肝炎、続いて非アルコール性脂肪性肝疾患(NASH)と続きます。
これらに共通する状態が肝硬変です。
ケガをしたあと、その部分が硬くなるように、肝臓でも炎症が続くと硬くなり、肝硬変が進みます。
この肝硬変が、先に挙げたような様々な肝臓の病気によって進行し、最終的に肝臓がんの原因となるのです。
肝臓がんの治療としては、手術、経皮的ラジオ波焼灼術、経カテーテル肝動脈塞栓術、分子標的薬(ネクサバールなど)が挙げられます。
従来の分子標的薬では、DNAをターゲットとしますが、肝臓がんでは複数の遺伝子異常が原因となって発症しているため、効果が薄くなってしまいます。
『ネクサバール』では、がん細胞へ栄養を運ぶ血管が新しくできるのを防ぐ作用があるため、他の薬と違って高い効果が期待できます。
副作用が出やすく、特に手足症候群に注意が必要な薬です。
C型肝炎は、C型肝炎ウイルスが原因となって起こる病気です。
2014年に初めて飲み薬だけでC型肝炎ウイルスを完全に取り除く治療法が確立し、その後も治癒率90%以上の優れた薬が次々と開発されています。
2015〜2016年に医療業界で一世を風靡した『ハーボニー』は、臨床試験で治癒率100%を叩き出しました。
また、ウイルスの型や患者さんの薬物代謝能(ハーボニーは腎臓代謝、ヴィキラックスは肝臓代謝)に合わせて薬を使い分けすることもできるようになりました。
数年以内にはC型肝炎の患者さんはいなくなると言われているほど、治療法の進歩がめざましく注目されています。
肝硬変が進む前に、できる限り早く治療を開始することが大切です。
ウイルスが完全に取り除かれても、感染期間が長かった場合、肝臓の線維化が既に進んでおり、肝臓がんへと進行する可能性があるため、定期的な検査が勧められます。
B型肝炎ウイルスが原因となって起こる病気です。
2016年10月から定期接種の対象となり、現在の子供たちは予防接種を受けています。
C型肝炎とは異なり、現在の医学ではウイルスを完全に取り除くことはできず、B型肝炎が治ったと言われても、ウイルスによる感染は持続しており、何らかの理由で再びウイルスが増えてしまうことがあります。
特に死亡率が9割を超えて恐ろしいと言われているのがデノボB型肝炎です。
抗がん剤や関節リウマチなどの自己免疫疾患の治療のために免疫抑制剤を使用した場合、ウイルスが増えてしまうことがあります。
B型肝炎ウイルスが増殖してから、デノボB型肝炎が発症するまでに1か月ほどの時間差が見られるため、以前にB型肝炎の治療をしたことのある方が免疫抑制剤による治療を受ける場合には、B型肝炎ウイルスの量を常に気にする必要があります。
名前の通り、アルコールの飲酒とは関係のない肝臓病で、フォアグラのように脂肪肝となっています。
男性で飲酒量が1日当たり30g、女性で20g未満の明らかに飲酒歴のない人が脂肪肝になっている場合にNASHと呼ばれます。
20%の人では肝臓の炎症マーカーであるALTは正常値を示していたため、気づかないうちに病気が進行し、健康診断での超音波検査により突然指摘されています。
BMIが25を超えている30%の人が脂肪肝ともいわれ、痩せることが1番有効的な治療となります。
20代と比べて10㎏以上太った方では、BMI25以下でもNASHになっている可能性があります。
アルコールの飲みすぎにより肝臓が炎症を起こす病気です。
禁酒や節制が大事な治療となります。
お酒は1日2単位までと適量を心がけることが大事です。
1単位はアルコール20gを表し、5%のビールであれば500mL程度が1単位となります。
女性では体も小さく代謝が悪いため男性の3分の2、アルコールによって赤くなる方もならない方の3分の2の量が適量となります。
アルコールの代謝には、1単位で3〜4時間、2単位で7時間、3単位で10時間程度時間が必要です。
肝臓はアルコール以外にも、体に入ってくるさまざまな物質の代謝を休まず行っているので、休肝日を作ったところで肝臓を休ませることはできません。
しかし、自分の意思でアルコールを我慢することができることを確かめることは、アルコール依存症出ないことの証明となるため、時々行うとよいと思います。
今回は肝臓の病気についてお伝えしました♪
それではまた^^