最近よく耳にするジェネリック医薬品とは、何なのかご存知ですか?
安いと言われているのはなぜなのでしょう?

今回の記事ではジェネリック医薬品についてお話していきたいと思います。

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ジェネリック医薬品は先発品と比べて品質が悪い??

ジェネリック医薬品という言葉について、薬局で案内を受けたり、黒柳徹子さんのCMで聞いたりしたことがあるのではないでしょうか?

ジェネリック医薬品ときくと、パチもんや偽物ととらえる方が多くいらっしゃいます。
安いのは品質が悪く、いい加減に作られているからだと。

そのようなことは断じてありません!!

日本の薬局でお渡しする薬はすべて、厚生労働省による検査を合格したものだけであり、日本の信頼できる製薬企業が責任をもって製造販売しています。
今回はジェネリック医薬品に対する正しい情報をお伝えしたいと思います。

そもそもジェネリック医薬品とは?

新しい成分の薬が生まれると、ある一定期間は最初に開発した会社による専売が認められます。

※日本では発売から6〜10年ほどの期間

この期間が終わると、同じ成分を含んだ医薬品を他の会社でも作ることが認められます。

先発の医薬品と同じ有効成分を含んだ、後から開発された製品がジェネリック医薬品です。

なぜジェネリック医薬品は安いの?

新しい成分の薬を作る場合には、その有効性や安全性を調べるために臨床試験を行い、厚生労働省の承認を受けることが義務付けられており、莫大なお金と長い時間が必要とされます。

しかし、後から作る会社は、先発品メーカーがすでに調査を終えており、それらを新たに調べる必要がないため、薬の開発は比較的安く早く行うことができます。

同量の有効成分を含み、体内で同じように溶けることが証明できれば製品として認められるのです。

開発にお金がかかっていないので、安い値段で販売することができるのです。

通常は先発医薬品の7割以下の値段がつけられます。

ジェネリック医薬品と先発医薬品の違い

含まれる有効成分の量は全く同じですが、製造方法や添加物の種類が異なる場合があります。

見た目の色やサイズが異なる場合もあります。

有効成分が同じであるため、同じ効果が期待できるのですが、使用者の違うものだという認識(プラセボ効果)や微妙な添加物の違いにより異なる効果が出る場合があります。

先発医薬品に比べて効果がよく出る場合、出なくなる場合の両方の可能性があります。

近年では、製造方法や添加物まですべてが先発医薬品と同じである、『オーソライズドジェネリック(AG)』も発売されるようになってきました。
オーソライズドジェネリックについては、こちらの記事で紹介しています。

ジェネリック医薬品は先発医薬品より劣っているのか?

ジェネリック医薬品は厚生労働省の承認を得て世の中に出るため、その品質は保証されており、劣っているということはありません。

先発医薬品では、同じ成分の薬が普通1種類、もしくは併売品があって2種類でありライバルは存在しません。

しかし、ジェネリック医薬品では同じ成分の薬が人気の薬では20種類ほど存在し、周りはライバルだらけです。

そんな中から自社の薬を選んで使ってもらわないといけないため、薬の商品としての工夫が必要となります。

先発医薬品では改善の余裕がなかった味や錠剤の大きさ、溶けやすさを工夫することで、結果的に先発医薬品よりも使いやすい薬となっていることがあります。

ジェネリック医薬品が先発医薬品に比べて劣っていないというのがお伝えできたでしょうか?

是非参考にしていただけたら嬉しいです♪

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rina

rina

都内薬局に勤務する現役薬剤師。 勉強会や患者さんとの会話を学びの種にしてブログを運営。 現在、1年間の長期休暇をいただき、海外生活中。