授乳中に薬を飲んだら、赤ちゃんにも影響があるかもしれないし心配ですよね。
今回の記事では、授乳中に薬を飲むことをテーマにお話します✨
目次
なぜ授乳中はお母さんが飲む薬にも注意が必要なのか?
お母さんが薬を飲むと薬の成分は消化管から吸収されて血液に入り全身を巡ります。
血液の一部は乳腺を通って母乳となり赤ちゃんの口に入ることになるのです。
※もちろん血液に入った薬がすべて母乳に移行する訳ではありません。薬の性質によって割合は異なります。
なぜ授乳中は薬を飲むべきではないと言われるのか?
製薬会社が安全性を保証するためには臨床試験で人を対象にデータを集めなくてはいけません。
でも妊婦や授乳婦に「どんな影響があるかわからないけどこの薬を使ってもらえますか?」とオファーしたところで普通は協力はしてもらえないでしょう。
そのため妊婦や授乳婦に薬を使ったデータが少なく安全性を担保できないため製薬会社の公式の情報では多くの薬に対して「治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること」、薬の母乳への移行が見られれば「授乳中の婦人に投与する場合には授乳を避けさせること」という表現がされるのです。
本当に授乳中に薬を飲んだら危険なのか?
先ほど述べたように多くの薬では製薬会社に授乳婦に使用した場合のデータがないため飲まないことと記載されています。母乳への移行がわかれば使用を避けるように勧められます。
しかし、薬の母乳への移行があるから必ず危険というわけではありません。
移行量が少量であれば影響は起こらないでしょう。
赤ちゃんに有害な影響を起こさない薬であれば母乳に移行しても問題ないでしょう。
個々の薬に対して性質を加味しながら使えるか判断することが大事になります。
なかなか一般の方が判断するのは難しいと思うので医師、薬剤師に意見を求めることをお勧めします。
「ネットで調べたら使ってはいけないと記載されていたけど主治医に使用しても大丈夫と言われた」
この場合には医師が経験を通して安全もしくは使用しない場合のリスクの方が大きいと判断したということですので安心して使ってください(^^)
役立つサイト
製薬会社にデータがなくても臨床現場で使用経験が蓄積しており安全性が示されている薬もあります。
一般の方に使っても大丈夫な薬なのか判断するのは難しいと申し上げましたがなかなか相談できない場合もあると思います。
授乳婦に使用経験のある薬についてまとめられているサイトを紹介しますのでご自身で判断される場合に参考にしてください。
☆母乳と薬ハンドブック
大分県産婦人科医会が製作したデータ集です。
☆妊婦と薬情報センター
国立成育医療研究センターによるデータ集です。
編集記
先日、姉に子供が産まれました✨
逆子のため帝王切開だったのですが、やはりお腹をきっているので数日経っても痛みが続いているそうで…
病院から痛み止めと胃薬を出されたけど、説明書きを読むと授乳中は飲まないように書かれている…どうしたらいいの!?と連絡をもらいました。
このことを機会に、授乳中に使ってもいい薬について学びなおしました。

rina

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