関節リウマチを治療する上で、もちろん関節の状態には気を配っていただいていると思うのですが、治療中には合併症にも注意していただきたいのです。
今回お伝えする帯状疱疹と感染症は、初期段階では医師にもわかりづらく見逃されてしまう可能性があります。
患者さんから指摘していただくことにより早期発見、治療のきっかけとなりますので、是非心にとめておいていただければ幸いです。
合併症1:帯状疱疹
帯状疱疹は水ぼうそうと同じウイルスによって引き起こされる病気です。
水ぼうそうのウイルスは1度感染すると症状が収まっても体にとどまっており、免疫が弱まったときに再度暴れることがあります。
これによって引き起こされるのが帯状疱疹です。
関節リウマチの治療では免疫抑制剤を使用するため、免疫が弱まった状態になっており、合併症として帯状疱疹が起こりやすくなっています。
帯状疱疹にかかると皮膚のピリピリ感が生じます。
皮膚にブツブツができてくるまでには3日間程度かかるため、それまでの間は診断が難しい状態となります。
早めの治療が大事であるため、帯状疱疹かもしれない!と自分から医師に伝えることが大事になります。
帯状疱疹のリスクを減らすためには予防接種が有効です。
予防接種を受けることにより感染リスクを半分にすることができます。
ただし、現在の水ぼうそうの予防接種は生ワクチンであるため、メトトレキサートを使用されている方では打つことができません。
近いうちに不活化ワクチンが認可となりますので、その後検討していただければと思います^^
合併症2:感染症(肺炎など)
関節リウマチ治療に使用される薬には炎症マーカーを抑えるものがあります。
アクテムラやゼルヤンツはその代表で、IL-6という免疫にかかわる物質を抑えます。
これによりIL-6が肝臓でCRPという炎症マーカーを作ることができなくなります。
CRPは風邪をこじらせた場合でも上昇し、通常感度の高いものなのですが、薬によって上昇しなくなってしまうため、感染症がCRP値を見るだけでは感知できなくなってしまいます。
また、だるさもでづらくなるため症状の自覚も難しくなります。
おかしいと思ったらレントゲンで肺を調べることも大事になります。
今回も最後まで読んでくださりありがとうございました☆
それではまた!

rina

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