処方箋を持って薬局へ行った際、「ジェネリック医薬品に変更されますか?」と聞かれたことが誰でも一度はあると思います。
「なぜ薬局ではジェネリック医薬品が勧められるのか」について今回はお話しします♪

この理由については国の医療費の問題と薬局の利益問題が関わってきますので順に説明します。

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なぜ国はジェネリック医薬品を勧めるのか?

皆さんがご存知の通り、日本では、少子高齢化が進んでいます。
少子高齢化により現在の保険制度の維持が難しくなっており、それを打開する1つの方法がジェネリック医薬品の使用です。

まず高齢者が増えると医療費が増えます。
高齢者では若者よりも体に不調がでやすく、病院に行く機会が多くなるからです。

医療を受けた本人が、かかった費用の全額を支払ってくれれば問題ないのですが、現在の日本の医療制度では、医療を受ける本人の負担する金額は最大で3割であり、実際にかかったもののごく一部です。

※高齢者ではさらに自己負担が少なくなり、一般的な収入の方では1ヶ月にどれだけお薬代がかかっても18000円までしか支払わなくてもよい制度となっています。年収に応じてその上限額は変わります。
※公費や高額医療限度額の認定を受けていれば、一定の自己負担までの金額のみの支払いになります。

医療費の自己負担分を除く分は、保険料や国の公費で賄われており、主に現役世代が支払って支えています。

しかし、少子化が進んでいるので、税金を払う人数が少なくなり、医療費を賄う財源の確保は難しくなっています。
保険料の増額や増税などで医療費を確保しようと様々な対策がなされてきましたが、支えられる側(高齢者)の人数が増え続け、支える側(現役世代)の人数が減り続けているため、どんどん支える側の負担が大きくなっています。

これから少子化高齢化が改善する道も見えず、医療費の確保がさらに難しくなっていくため、今までのように現役世代の負担を増やすのではなく医療費自体を減らそう!という考えのもとに進められているのがジェネリック医薬品の推奨です。

ジェネリック医薬品は先発医薬品に比べて値段が安く医療費を削減することができます。

なぜ薬局はジェネリック医薬品を勧めるのか?

今までお話ししてきた通り国の方針でジェネリック医薬品が推奨されています。

薬の受け渡し窓口となる薬局からも、患者さまにジェネリックを勧めてもらいたいと国は考えるため、ジェネリック医薬品をお渡しすることで薬局の利益になる制度を作って活用しています。

その制度が「後発医薬品調剤体制加算」と呼ばれるものです。
これは薬局でお渡しする薬の中でジェネリックの割合が一定水準を超えていれば、プラスで料金が取れるという制度です。

先発医薬品に加えてジェネリックも在庫するのは、薬局側としては在庫や品目が増え、その分使用できずに廃棄になるものが増え、利益というよりも不利益に繋がるため、積極的には行いたくありません。

ですが、後発医薬品調剤体制加算がとれていれば、全ての患者さまから180円~260円を加算がない場合に比べて多く頂くことができます。
さらに、後発品が20%以下の場合には20円減のペナルティとなります。(2019.1現在)

※後発品が75%以上の場合(後発医薬品調剤体制加算1):180円
80%以上の場合(後発医薬品調剤体制加算2):220円
85%以上の場合(後発医薬品調剤体制加算3):260円

月20日営業し、1日100人の患者さまが訪れると仮定すると、加算がなかった場合と比較して、年間約500万円の利益がプラスされることになります。
ジェネリック医薬品の在庫を増やすことにより、薬品の廃棄量が増えるとは言っても、そこまでの金額に達することはないので、薬局としては利益の方が大きくなります。

このように国の意向を受けて、薬局の利益も増やすことのできる仕組みがあるため、薬局ではジェネリック医薬品を患者さまに勧めているのです。

後発医薬品調剤体制加算の条件は、改定ごとに厳しくなっており、薬局側も大きな利益を失いたくないため、なんとか基準を満たそうとしています。
その過程で薬剤師から患者さまへのジェネリックのオススメが強くなっているのだと考えられます。

ちなみに小林の勤務先では、先発医薬品を希望される患者さまが多数でジェネリックの割合は約50%です。
ここから75%以上を目指すのは極めて困難なので、後発品調剤体制加算はすっぱり諦め、率先してジェネリックをお勧めすることはしていません。

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rina

rina

都内薬局に勤務する現役薬剤師。 勉強会や患者さんとの会話を学びの種にしてブログを運営。 ここ1年間で12㎏増えた体重をもとに戻すべく、ダイエット中。糖尿病に対する専門知識を生かし、健康に美しく痩せる方法を模索中。