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薬局で売っているパイロンPL顆粒と処方箋薬のPL配合顆粒は同じ薬?
電車の中でパイロンPL顆粒という薬の広告を見かけました。
ロキソニンやアレグラのように今までは病院に行かないと手に入らなかったものが、薬局やドラッグストアでで手軽に手に入るようになるというのが最近の市販薬の流行りのように感じています。(これをスイッチOTCと言います。)
実際、病院にかかって今まで使っていたものが手軽に手に入ったらとても便利ですよね。
パイロンPL顆粒も、今まで病院でしか手に入らなかったPL配合顆粒に、名前だけでなく見た目までそっくりです。
成分や効果、使い方はどうでしょうか?
今回はパイロンPL顆粒とPL配合顆粒を詳しく比較してみたいと思います。
PL配合顆粒の副作用、効果についてはほかの記事でも解説しています。
パイロンPL顆粒とPL配合顆粒はどこの会社が作っているの?
製造会社はどちらも塩野義製薬です。
透明な袋に白い粒の大きめの粉が入っているシンプルなデザインの薬です。
パイロンPL配合顆粒は、処方せんなしで薬局やドラッグストアで簡単に買うことのできる総合風邪薬であり、2017年8月に発売されたばかりです。
一方、PL配合顆粒は、病院を受診して処方箋を受け取り、それを調剤薬局で提出することにより受け取ることのできる薬です。
1962年の発売以来、長く風邪薬として使われてきた歴史があります。
パイロンPL顆粒とPL配合顆粒の有効成分の違いは?
2つの薬に入っている有効成分は同じであり、サリチルアミドとアセトアミノフェン、無水カフェイン、プロメタジンメチレンジサリチル酸塩の4種類です。
1回量に含まれる有効成分量の比較を表にまとめました
パイロンPL顆粒(薬局OTC) | PL配合顆粒(処方せん薬) | |
サリチルアミド | 216mg | 270mg |
アセトアミノフェン | 120mg | 150mg |
無水カフェイン | 48mg | 60mg |
プロメタジンメチレンジサリチル酸塩 | 10.8mg | 13.5mg |
一見すると、パイロンPL顆粒よりもPL配合顆粒の方が、有効成分量が多く、強いのではないかと感じられるかと思います。
ですが、パイロンPL顆粒は1包が0.8gであるのに対し、PL配合顆粒は1gです。
パイロン配合顆粒の成分を1.25倍するとPL配合顆粒の成分と同量になりますので、濃度は同じ、つまりパイロンPL顆粒を1g服用すればPL配合顆粒とまったく同じであることがわかります。
パイロンPL顆粒とPL配合顆粒の使い方の違いは?
薬の使える回数は?
パイロンPL顆粒、PL配合顆粒ともに1回1包ですが、前者は1日3回まで後者は1日4回まで使用できることになっています。
薬の使える人、年齢制限は?
パイロン配合顆粒は15歳未満には使用しないこと、PL配合顆粒は2歳未満には使用しない、小児については危険性が使用するメリットを上回る場合にのみ使用できるとされています。
PL配合顆粒は、見た目がオレンジの顆粒である小児用も1962年より発売されています。
1gあたりの有効成分の量が大人用の6分の1ですが、有効成分の割合は大人用と全く同じものです。
味は大人用よりも甘く感じられるように作られています。
総括
パイロンPL顆粒とPL配合顆粒は、1包あたりに入っている粉の量に差はありますが、基本的に全く同じものです。
PL配合顆粒は処方箋を必要とするため、処方せんに書かれた段階で、患者さんの状態や持病などを医師が考慮しています。
医師の判断に沿った使い方がされるため、使ってもよい量が多かったり、子供に絶対禁止でなかったりと使い方の規制が弱くなっているのだと思われます。
このように全く同じ成分の薬であっても、市販のものよりも処方せん薬の方が幅広い使い方ができるのは、アレグラやロキソニンなどにもみられるスイッチOTCの特徴です。
ロキソニンについての記事はコチラから↓
どちらの薬を使用する場合にも、薬の説明書および医師、薬剤師の指示通りの使用法を守ることが安全に使う秘訣です。
編集記
この週末、1泊3日で紅葉真っ盛りの京都へ旅行してきました☆
思いつきによる弾丸&交通費+宿泊費1万5千円以下の格安旅でしたが、最高に美しい情景を見ることができ、ただただ感動しました。
今回のアイキャッチ画像は私自身がこの週末に撮影してきた、東福寺の紅葉です♪
紅葉の季節ということは、秋が深まり冬が近づいてきたということ…
気温もぐっと下がり、昼間と朝夜の温度差が大きくなり、体調を崩しやすい季節ですね。
市販の風邪薬の需要も高まる時期と思い、今回の記事を作成しました。
記事を読んでくださった皆様も、お体大切にお過ごしください。

rina

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