今回は低用量ピルの副作用について特集していきたいと思います。
低用量ピルの効果や飲む理由についてはコチラから。
目次
小林が感じた低用量ピルの副作用
血栓症のリスク増加
今回も私の経験からお伝えします。
私は薬を飲み始めてから5か月くらい経ったときに、義務付けられている血液検査で異常が見つかりました。
D-ダイマーという値が高くなってしまったのです。
D-ダイマーとは、血液が固まった後に再度溶けたときにできる物質です。
つまり、D-ダイマーの値が高ければ、血栓が一度はできたことを表しており、この量を測定することにより血液の固まりやすさを判定することができます。
D-ダイマーの基準値は1.0μg/mL未満ですが、私の場合には1.6μg/mLと若干ですが、それを超えてしまっていました。
この時に、血栓症で注意喚起されている自覚症状は全くありませんでした。
うつ病
もともとポジティブな方ではなかったのですが、気づいたら毎日苦しい、消えてなくなりたい、というような感情を抱くようになりました。
そのうちトイレやお風呂など日常的な活動も億劫になってベッドから動けなくなり、20代前半の活動的な時期であるはずなのに続けて100mも歩けない体になっていました。
20代で100mも歩けないのはさすがにおかしいと思い、若い女性に多い甲状腺機能低下症(橋本病)やほかの疾患を疑いましたが、異常は見つかりませんでした。
低用量ピルの副作用を感じた後の対応
うつ病に関しては、当時の人間関係が原因だったのかもしれませんし、低用量ピルのような女性ホルモン薬を飲むことでホルモンバランスに変化(崩れた状態から正しい状態へと直されたこと)が生じたことが原因だったのかもしれません。
関連性はなんとも判断できないので、特に対応は行われませんでしたが、D-ダイマーの上昇は低用量ピルによる影響が強く疑われました。
飲んでいた薬をヤーズ配合錠からルナベル配合錠に変更し、様子を見ることが提案されました。
ルナベルに変更されてから1か月後には、D-ダイマーは基準値以下になり、一安心となりました。
製薬会社から発表されている副作用
小林自身が感じられた副作用は、上記の血液検査値の異常とうつ病でしたが、製薬会社のデータにはどのようなものが報告されているのかお伝えします。
血液検査値の異常とうつ病について
D-ダイマーの異常は、添付文書上の記載で”凝固検査異常”の項目に含まれます。
病院によっては、PT-INRという他の検査値を用いる場合もあります。
凝固検査異常の報告は、ヤーズ配合錠を飲んでいる20%程度の人で見られています。
うつ病は1%未満の報告があります。
凝固検査は低用量ピルを飲んでいる人は必ず行うため、見つかる可能性も高くなっています。
これに対してうつ病は、自己申告が必要な病気であり、検査値異常に比べると見つかりづらいことも副作用として報告される数が少なくなっていることに関連していると思われます。
頻度の高い副作用
低用量ピルは、風邪薬や抗生物質と比べると副作用の報告が多い薬です。
頻度の高い症状は、報告が多い順に頭痛、吐き気、不正子宮出血、凝固検査異常、性器出血が挙げられます。
頭痛や吐き気は、マイナートラブルと呼ばれ、低用量ピルを飲み始めて2か月以内に起こることが多い副作用です。
我慢できないほどの症状でなければ、少しの期間だけ我慢して薬を続けていただくことでだんだんと改善していきます。
出血の副作用は、低用量ピルの使用により子宮内膜が薄くなって剝がれやすくなることにより起こります。
また、薬の飲み忘れをしたときにも出血が起こってしまいます。
不正出血の副作用も飲み続けることで改善はしていきますが、あまりにひどい場合には貧血の原因にもなるので注意が必要です。
凝固検査異常は、上に挙げた5つの副作用の中で最も怖い症状です。
血液が固まりやすくなっても、特に症状には現れませんが、血栓ができてしまうと全身へと流れ、詰まらせてしまった場所によってさまざまな症状が起こります。
さらに脳梗塞や心筋梗塞の原因にもなります。
血栓症になってしまう前に、薬のお休みや変更などの対応が必要です。
これから低用量ピルを飲もうと思っている方、現在飲んでいる方の参考になれば幸いです。
それではまた!

rina

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