以前の記事でもお話しした通り、私の実家には、認知症のおばあちゃんが同居しています。
先日、そのおばあちゃんが救急車で病院に運ばれる事件があり、そこでまた認知症について考える機会がありましたので、お伝えさせていただきます☆
目次
おばあちゃんの救急搬送事件
救急搬送から入院の経緯
先日、おばあちゃんが高熱をだしました。
祝日でかかりつけの病院がお休みであったこと、高齢であり体力面が心配であったこと、急に歩けなくなってしまい、不安に思ったことから、救急車で搬送されることとなりました。
診断結果は、インフルエンザと初期の新規の脳梗塞で、しばらく入院となりました。
インフルエンザになってしまっても、入院するのなら安心ですし、脳梗塞も早く見つかったので薬で流すことができ、結果オーライでした。
以前の入院と比べて今回変わったこと
3年前に初めて脳梗塞で入院した際には、認知症の欠片もありませんでした。
今まで大きな病気もしたことがなく、初めての入院でどうなってしまうのか不安だったようでした。
泣いてしまったり、毎日家族がお見舞いに来ないと我慢できなかったりと取り乱す場面が多々ありました。
しかし、今回は取り乱すようなことはなく、落ち着いていたそうです。
その理由は2回目だから…というわけではなく、どうやら認知症が進行し、状況がよくわかっていなかったことだったようです。
救急車内で生年月日が答えられなかった
今回は認知症が進んでいるとわかったのは、日常でときたま面白い行動を起こす、というのも根拠にありますが、救急車で搬送中に生年月日が答えられなかったことからです。
救急車内での氏名と生年月日の確認で、昭和60年4月10日です!と答えたそうです。
年月日のどれをとっても間違っており、認知機能が下がっていることを思い知らされました。
救急搬送後の入院中の様子
脳梗塞が再発してしまったこと、インフルエンザを同時に発症し、体力的にもつらいことで、前回のように極度の不安状態になってしまうかと思われましたが、そこまで認識していないようで、取り乱すことは全くありませんでした。
翌日お見舞いに行くと、早く病院に連れて行ってくれてありがとう。熱が下がってだいぶ楽になったよ。と話してくれました。
認知機能が高ければいいわけではない
今回の体験から感じたのは、外から見ている限りだと、認知症の進行は本人にとっても、家族からしてみても悪い面だけではないということです。
認知症の症状の悪化は怖いです。
家族としても心配でいっぱいです。
ですが、今回のような事件があった際に、本人が泣き叫んで、不安を訴えているよりも、笑顔で穏やかに過ごしてくれている方が、家族は楽な気持ちでいられると思います。
その面では、認知機能が低下しているために本人が必要以上に不安にならずに済んだ、家族も穏やかに見守ることができた、という点でよかったと感じました。
認知機能と家族の関係性は比例しない
また、認知症で病院を受診した患者の介護者を対象に行った調査では、認知機能が保たれている患者の介護者の方が、ストレスを強く感じ、家族機能が低下していたという報告がされています。
患者の認知機能の程度と家族の心理的負担や関係性は必ずしも一致せず、一概に認知機能が高ければ家族関係もよいとも言えないことが分かります。
小林家でも、おばあちゃんはもともと好戦的で家族ともぎくしゃくする時期がありましたが、認知症になってからは穏やかでいつも笑顔と感謝を絶やさない人格になったため、関係性は以前よりもずっと良好になっています。
※認知症になって逆にキレやすくなる方もいらっしゃるので、個人差もあるかとは思います。
認知症の進行を抑える薬は飲むべきなのか?
ここまでお伝えしてきたように、認知症になったからよかったこともある、一概に認知症になったからすべてが悪いというわけではないということを感じるようになりました。
では、認知症は悪いものではないから治療は不要!なのでしょうか?
以下の記事でお伝えしたように、認知症の薬を飲めば、その進行が2年程度遅らせることができ、介護費の節約となります。
自立した一人暮らしや自身での身支度を長く続けられるのであれば、家族の負担の減少にもつながるでしょう。
治療により認知機能の低下が抑えられることで生まれるメリットもたくさんあります。
副作用やお薬代など薬を使うことのデメリットと天秤にかけながら検討してはいただければと思います。
近日中に認知症の治療法やその副作用についても記事を書いて情報をお伝えしたいと思います。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました^^
それではまた!

rina

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