寒い時期に増える風邪…
風邪の時に活躍する代表的な薬であるPL配合顆粒について解説します。
目次
PL配合顆粒とは?
1962年に発売され、総合風邪薬として、多くの病院で使われてきた長い歴史のある薬です。
昨年の8月にはスイッチOTCとして市販品が新しく発売になり、処方箋なしでも買えるようになりました。
PL配合顆粒と市販のパイロンPL顆粒の違いについてはコチラの記事でまとめています。
パイロンPL顆粒は、第2類医薬品に分類されており、要指導医薬品ではないため、ネットでも購入することができます。
PL配合顆粒の成分や効果は?
PL配合顆粒に含まれている成分は全部で4種類です。
解熱鎮痛剤が2種類と抗アレルギー剤、カフェインが含まれています。
アセトアミノフェン、カフェイン、サリチルアミドの組み合わせは、ACE(エース)処方と呼ばれ、市販の風邪薬でよくある組み合わせです。
アセトアミノフェン
解熱鎮痛剤の一種です。
安全性の高い解熱鎮痛薬で子供によく使われます。
1日の最大使用量が4000㎎と幅広く設定されており、症状の強さに合わせて用量の調整が可能です。
他の解熱鎮痛剤と比較して、鎮痛作用はマイルドであると言われています。
サリチルアミド
解熱鎮痛剤の一種です。
アスピリンと同じグループの成分で、より胃に優しいのが特徴です。
無水カフェイン
コーヒーやお茶に含まれるカフェインの一種です。
頭をすっきりさせ、眠気を防ぐ働きがあります。
プロメタジン
アレルギー薬の一種です。
風邪においては、鼻水やくしゃみなどに効果を示します。
抗アレルギー作用は強く、症状の改善効果が高いと言われています。
PL配合顆粒の副作用は?
頻度の高い副作用は以下の通りです。
眠気
抗アレルギー作用を持つプロメタジンは眠気の出やすい成分です。
また、眠気が出なくても注意力が下がっている(インペアードパフォーマンス)という報告もあります。
このため、高所での作業など危険を伴うお仕事の方、車の運転をされる方にはお勧めできません。
口の渇き
プロメタジンの作用により神経が刺激され、緊張している時のような口の渇きが起こります。
胃腸障害
痛み止めの成分により胃の痛みや不快感が起こる可能性があります。
多くの解熱鎮痛剤でみられる副作用であり、痛み止めの成分が、痛みの原因物質が作られるのを邪魔するのと同時に、胃の保護成分が作られるのも邪魔してしまうことが原因です。
食後に薬を飲むこと、多めの水で飲むことでも副作用の予防となります。
危険な副作用の兆候については、添付文書に医師や薬剤師に相談してくださいと記載があります。
薬剤師に相談した場合にどのような答えが返ってくるのかについてはコチラの記事でまとめています。
PL配合顆粒が向いていない風邪は?
PL配合顆粒の成分は上記のとおりであり、効果を示すのは熱や痛み、鼻水に対してです。
痰や咳など他の症状には効果が期待できません。
のどの痛みが強い風邪、咳がでる風邪、痰が絡む風邪、お腹の風邪などの方には向かない薬です。
別の風邪薬の検討が必要ですので、症状を医師に伝えて相談してください。
今回は代表的な総合風邪薬のPL配合顆粒についてお伝えしました。
皆様の参考となれば幸いです。
編集記
東京は、歴史的な寒波が襲来し、大雪にも見舞われました。
全国で寒い日が続き、体調の崩しやすい季節です。
病院に行く時間がなくても、市販薬を上手に使っていただきたいと思います。

rina

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