現在、花粉症は症状を抑えるだけでなく、『シダトレン』を用いて根本的に治す方法があります。
この方法は、減感作療法と呼ばれ、花粉症の原因であるスギ花粉エキスを少量ずつ体内に入れることで、体を慣らしスギ花粉に反応しない体質へと改善していきます。
アレルギーの原因物質を取り入れるということで、症状がひどくならないのか、アナフィラキシーショックが起こらないのか、不安に感じられる方もいるかと思います。
今回は、シダトレンの副作用に焦点を当てて記事を書いていきます。
シダトレンのお薬の概要については別記事でまとめています。
目次
シダトレンの危険性は?
現在のアレルギー治療の基本は、アレルギーの原因を避けることです。
食べ物アレルギーでは原因食物を食べないように注意しますし、花粉症ではマスクをして花粉が体に入らないように防御します。
アレルギーの原因を体に入れてしまったらアナフィラキシーショックが起きて大変なことになるのではないかと不安に思われるでしょう。
製薬企業の臨床検査の結果を伺ってきましたのでご紹介します。
シダトレンのアナフィラキシーの事例
確率で言うと、シダトレンでアナフィラキシーショックを起こす確率は10億分の1程度です。
世界で使用された経験から11例が論文で報告されています。
いずれも死亡例はありませんでした。
また、臨床試験では1万3千件中2例に報告がありました。
このうち1例は、おそらくスギ花粉に対する症状ではなく、同時期に摂取したエビに対する症状の可能性が高いと考えられています。
もう1例では、声がかれる、発声しにくい症状が訴えられました。
副作用の確率はかなり低いのではないかと考えられます。
副作用が起こりやすい時期は?
最も注意が必要なアナフィラキシーショックが起こってしまう場合、その症状の発現は早く、薬を使ってから30分以内に起こることが多いです。
また、スギ花粉が飛び始める時期はシダトレンに加えて、自然の花粉にも暴露されるため、アナフィラキシーの可能性が高まります。
他の副作用は軽微なものが多いですが、その7割はシダトレンの使用開始1か月以内に起こるという報告があります。
使い始めの時期は注意が必要でしょう。
副作用を避けるために気を付けたいことは?
薬を使う際に少し気を付けるだけで、副作用の可能性を低くすることができます。
シダトレンの場合、薬の成分が急激に体内に入ってしまうことがリスクとなります。
薬を使う前後2時間の激しい運動、アルコール、入浴は避けた方が安全です。
また、抜歯や口の中の手術をシダトレンの治療中に行うと薬の吸収性に影響するので、事前に主治医に相談するのがベストです。
総括
シダトレンは従来の治療薬と異なり、花粉症の症状を根本から改善していく薬です。
花粉症治療の主流は、アレグラやアレジオンなどの抗ヒスタミン薬によって薬を使っている間だけ症状を抑える方法ですが、薬から解放されたい方ならば、新しい治療法のシダトレンも一つの選択肢ではないでしょうか。
主治医とよく相談してみることをお勧めします。

rina

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