帯状疱疹の新薬、アメナリーフの勉強会に参加してきました。
飲み方の服薬指導のポイント、注意しなくてはならない点について、先に発売されているバルトレックス、ファムビルとの比較をまじえながらまとめたいと思います。

帯状疱疹の服薬指導についてはこちらの記事でまとめています。

スポンサーリンク




『アメナリーフ』とは?

アメナリーフとは、2017年9月に発売となった帯状疱疹治療薬です。
先に発売されているゾビラックス、バルトレックス、ファムビルでは、帯状疱疹以外の適応もありますが、アメナリーフの適応は帯状疱疹のみとなっています。(2018年4月現在)

アメナリーフの飲み方

1回400㎎(2錠)を1日1回食後に服用します。

先に発売されたバルトレックスとファムビルは、1日2~3回、ゾビラックスは5回に分けて飲む必要がありますが、アメナリーフは1日1回となります。
服用回数が少なくなるため、アドヒアランスの向上が期待できます。
既往歴のない患者さんでは、薬を飲む習慣がなく、分3服用がなかなか難しいため、飲み忘れなくしっかりと服用する必要のある抗ウイルス剤では、長所の一つになりそうです。

また、食後服用も大事なポイントの一つです。
空腹時に服用すると、作用が減弱することが分かっています。

抗ウイルス薬は、少しでも早く飲み始めてもらうことが大事であるため、1回目の服用は薬局でのお渡しの直後が理想です。
ですが、食事が薬の効果に関係してくるため、食事の時間でなくとも軽食を召し上がって、なるべく早く1回目を飲んでもらうこと、2回目からは通常の朝食後など食後に服用するように指導することが必要です。
臨床試験では、1回目の服用時にカロリーメイトを召し上がっていただくようにしていたそうです。

アメナリーフの相互作用

アメナリーフはCYP3Aで代謝され、CYP3A,2B6を誘導するため、これらの代謝酵素が関わる薬とは相互作用があります。
CYP3Aを強く誘導するリファンピシンとは併用禁忌となっています。

また、先に発売された3剤とは化学構造式が異なり、プリン骨格を持っていないため、今まで相互作用のために併用しづらかった薬も使えるようになりました。
選択肢が増えた面ではとてもよいのですが、アメナリーフは先に述べた代謝経路に由来する併用禁忌、注意薬が複数存在し、相互作用が少ない薬というわけではないようです。

アメナリーフの代謝経路

アメナリーフは、肝代謝の薬です。
尿中への排泄は、2割程度であるため、腎機能が悪い方には使いやすくなっています。

他の3剤は、尿中排泄が主な代謝経路であり、肝機能の関与は小さいことが分かっています。
患者さんの肝機能や腎機能の状態によって選択することが必要です。

嚥下困難者への対応

アメナリーフは、フィルムコーティング錠で粉砕しないよう添付文書に記載がされています。
ですが、このフィルムコーティングの目的は、薬の認識性を高めることだそうです。

粉砕後のデータも製薬企業では調査しているようなので、事前に問い合わせをすることが必要だと考えます。

それでは、また!

The following two tabs change content below.
rina

rina

都内薬局に勤務する現役薬剤師。 勉強会や患者さんとの会話を学びの種にしてブログを運営。 現在、1年間の長期休暇をいただき、海外生活中。