今回の記事でも、勉強会から学んだ新薬の使い方や注意点についてまとめていきます。
テーマは、『アレサガテープ』です。
目次
アレサガテープとは?
2018年4月に新発売された、世界初の経皮吸収型アレルギー性鼻炎治療薬です。
経皮吸収型であるため、1日を通して有効成分の安定した血中濃度を保つことができるのが利点です。
有効成分は、エメダスチンフマル酸塩という第二世代の抗ヒスタミン薬です。
この成分は、新規開発成分ではなく、1993年8月にレミカットとして内服薬が発売されています。
25年の使用経験のある成分です。
同じく第二世代抗ヒスタミン薬のザイザル(レボセチリジン塩酸塩)と同程度の強さと言われています。
テープの特徴
アレサガテープの規格は、4㎎と8㎎の2つがあります。
面積当たりの薬物濃度は同じであるため、8㎎を半分に切ると4㎎と同じ効果を発揮します。
※本来の使い方からは外れているため、推奨はできません。
4㎎規格は500円玉、8㎎規格は電車の切符と同じくらいのコンパクトサイズです。
アレサガテープの使い方
1回4㎎を胸部、上腕部、背部又は腹部のいずれかに貼付し、24時間ごとに張り替えます。
症状に応じて8㎎まで増量ができます。
入浴前に剥がし、入浴後に新しいものを貼付することをお勧めします。
比較的、体幹部のどこに使用してもよい薬です。
ですが、臨床試験で、腰に貼付した場合に、血中濃度が2~3割低くなってしまったというデータがあるため、腰への使用は避けた方がよいです。
効果が見られるまでの時間は?
有効成分の血中濃度が上昇してくるまでには20時間ほどかかり、7日目までに定常状態に達します。
患者さんへの聞き取りでは、使用開始1週目から効果が実感できたそうです。
経口抗アレルギー薬と比較すると、効果の発現は遅めであるようです。
売り出しポイントは、1日中安定した効果を期待できる点になると思われます。
アレサガテープの副作用は?
まず挙げられる副作用は、眠気です。
抗アレルギー薬では、なかなか避けて通れない副作用です。
経口の抗アレルギー薬よりは頻度が低いと報告されています。
また、テープ剤特有の副作用で、皮膚のかゆみやかぶれが起こる可能性があります。
テープ剤のプラセボとの比較で、差がなかったことから、この副作用の原因は有効成分そのものではなく、テープ剤との接触によるものと考えられます。
実際、同一成分のレミカットの副作用として、皮膚のかゆみやかぶれの報告はありません。
肝臓や腎臓が悪い人には使える?
エメダスチンフマル酸塩は、肝代謝型薬物です。
尿中へは2.9~4.4%が排せつされます。
肝臓が悪い方では、慎重に使用することが求められます。
服薬指導に是非役立ててくださいね♪
それではまた!

rina

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