毎年の健康診断で、
・血糖値がちょっと高いねと言われた
・自分は糖尿病ではないかと心配になった
ことはありませんか?
糖尿病とはどんな病気なのか、どんな症状が起こるのか、についてお話します。
今回は、糖尿病について、危機感を持っていただきたいため、その怖い面をお伝えしていきます。
目次
糖尿病とは?
糖尿病とは、血糖値が高くなってしまう病気です。
その名前のとおり、体内の糖分が多くなりすぎると、おしっこにも糖分が混ざってきます。
健康な人であれば、すい臓からインスリンが出されて、血糖値を正常な値に保ってくれます。
ですが、なんらかの理由でその働きが弱くなってしまうと、血糖値が高くなってしまうのです。
糖尿病の症状は?
軽度の糖尿病の場合、症状はほとんどありません。
高血圧や高脂血症と同じように、痛みやかゆみがでることもないですし、皮膚の色の変化や体の部位の変形なども起こりません。
進行すると、のどの渇きやすくなったり、おしっこの量が増えたり、体重が減ったりする症状が現れます。
しかし、これらの症状は、糖尿病だけに起こるものではないので、自分は糖尿病かもしれない!と注意していない限り、気づきにくいものだと思われます。
ただ血糖値が高いだけで、苦しい症状はなく、甘く見てしまいがちな病気ですが、糖尿病の本当の恐ろしさは、その合併症にあります。
恐ろしい糖尿病の合併症
糖尿病では、高い血糖値が続くことで、全身の血管がボロボロになってしまうことが原因で起こります。
心臓などの大きい血管から、手先足先の小さい毛細血管まで、広い範囲に影響が出ます。
合併症には、ゆっくり進んでいくものと、ある日突然起こるものがあります。
ゆっくり進む合併症
ゆっくり進む合併症は、主に体の小さい毛細血管が傷つくことが原因です。
有名な合併症は、慢性腎不全、網膜症、末梢神経障害です。
慢性腎不全
腎臓の細かい血管が傷つくことで、腎臓の機能が悪くなります(腎不全)。
腎臓は、血液をろ過して、不要な物質をおしっことして外に出す働きを持っています。
腎不全になると、おしっこが作られなくなり、体の不要な物質が捨てられなくなります。
このような状態になってしまった時に、腎臓の代わりをするのが『透析治療』です。
透析では、血液の浄化作業を週3回、毎回約5時間かけて行います。
もちろん、旅行中でも例外なく行わないといけないので、旅行前には、透析ができる施設を探しておく必要があります。
腎不全が進んで、透析になってしまうと、生活の中のかなり長い時間が拘束されてしまうことになります。
網膜症
目の構造は、よくカメラに例えられますが、網膜はフィルムに当たります。
網膜の細かい血管が傷つき、出血を起こすことで、視力低下や失明を引き起こします。
視覚は、人間の五感の中でも最も重要な役割を果たしており、情報の8割以上は目から入ってくると言われています。
目が見えなくなってしまうことは、生活に大きな悪影響を与えます。
末梢神経障害
手先、足先の細かい血管が傷つくことで、体中に栄養や酸素が十分に届けられなくなり、神経障害を引き起こします。
神経が傷つくことで、しびれや痛みの原因となります。
また、手先足先が壊死(部分的に死んでしまう)することにもつながります。
壊死してしまった部分は、もとに戻ることはありませんので、ほおっておくと腐ってしまいます。
このような部分は、切断することになります。
ある日いきなり起こる合併症
突然起こる合併症は、心臓や脳など、大きな血管が傷つくことで起こります。
心筋梗塞や脳梗塞がその代表です。
心筋梗塞
心臓の血管が詰まることで起こる病気です。
心臓は、全身に血液を送るポンプとしてとても大事な働きをしています。
命に関わるとても怖い病気です。
脳梗塞
脳の血管が詰まることで起こる病気です。
詰まった場所によって、症状は異なります。
ろれつが回らない、手足が動かしにくいなどの部分的な症状から、呼吸など命に関わる症状まで多岐にわたります。
まとめ
糖尿病は、特に自覚症状は感じられない病気です。
ですが、その合併症はとても恐ろしいもので、進行すれば快適な生活が送れなくなりますし、命にもかかわります。
症状がないからと軽視せずに、食事や運動などの生活習慣を見直すこと、薬をきちんと飲むことが大事です。

rina

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