糖尿病と診断されて怖いのは、合併症を発症してしまうことです。
合併症は、きちんと血糖値をコントロールしていくことで起こさずに過ごすことができます。

今回は、合併症にならないためにどのような治療がされていくのかについてお話しします。

糖尿病の恐ろしい合併症については、こちらの記事から。

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食事運動療法

糖尿病と診断された場合、その進行具合にもよりますが、まずは食事や運動などの生活習慣の見直しを行います。
糖尿病は、肥満(メタボリックシンドローム)とも強い関連があるので、痩せることで改善が期待できます。

摂取カロリーを制限し、運動で消費カロリーを増やして、減量を行います。
肥満の程度にもよりますが、まずは現体重の5%減を目標に設定します。
ダイエットが成功し、血糖値が改善すれば、それを維持できるように生活改善を続けていきます。

食事療法

食事では、摂取カロリーを減らすことの他、食べ方にも注意をします。
空腹時間が長くなると、食事をとった時の血糖値の上昇が大きくなりやすいので、食事は抜かないようにします。
間食を取るのも悪くないですが、食事の回数が増えると、摂取カロリーが多くなりやすいので、1回の食事でたくさん食べないように注意が必要です。

食後の血糖値上昇を緩やかにするためには、食べる順番も大事です。
食物繊維の豊富な野菜を先に食べ、ご飯やパンなどの炭水化物は後に食べます。

食べる順番は、我慢もいらず、少し意識するだけでできるので、一番最初にやっていただきたいことです。

運動療法

運動は、できれば毎日、少なくとも週3~5回、週150分以上行うことが望ましいです。
運動の種類は、激しいものである必要はなく、早歩きで一駅分歩く、階段を使うなど、日常の中でできるものでもOKです。

継続することで、小さなカロリー消費が積み重なって痩せることにつながるだけではなく、筋肉がついて太りづらい体になり、心肺も丈夫になります。

ですが、運動でカロリー消費をするのは、かなり骨の折れることです。
おにぎり1個分のカロリー(約200kcal)を消費するためには、1時間歩かなくてはいけません。

運動をして消費したから、たくさん食べても大丈夫、という思考にはならないように注意が必要です。

今までの生活習慣を変えるのは、かなり困難なことですし、年齢を重ねることで代謝が低下していくことも相まって、減量はとても難しいことです。
食事運動療法で改善が見られなかった方では、薬を使った治療に移行していきます。

薬物療法

食事運動療法で改善が見られなかった方では、薬を使った治療を行っていきます。
糖尿病の薬なんて使いたくない!と思われる方も多々いらっしゃいますが、血糖値の高い状態が続くことで、血管はどんどん傷ついていきます。

運動と食事を見直して、約2か月をめどに改善しないようであれば、薬の力を借りることも大事です。
薬の副作用の可能性と、血糖値が高いことによる合併症の危険性を、天秤にかけて考えなくてはなりません。

糖尿病の治療薬は、1921年のインスリンの発見から始まり、改良を重ね、多種多様のものが作られてきました。

体質や糖尿病の型によって使用される薬が選ばれます。
生活習慣の乱れから発症した糖尿病に、最初に使われることが多いのは、血糖が下がりすぎる危険性の少ない飲み薬です。

まずは1種類の薬を使って、血糖値を下げ、血管へダメージがかかっていた状態を改善します。

効果が見られなければ、別の薬を増やしたり、注射を併用したりします。
治療薬の詳しい内容については、また別の機会にお話しします。

糖尿病治療の目標

糖尿病は、インスリンの発見以前に不治の病でしたが、現在ではその余命も、糖尿病でない方とほぼ同じくらいになってきました。
食事運動療法、薬物療法ともに、治療の目標は、糖尿病でない方と変わらない生活の質を保ち、寿命を全うさせることです。

前回記事でもお伝えしたように、糖尿病で恐ろしいのは、その合併症です。

食事運動習慣の改善、薬の使用を通して、血糖値を正常値におさめ、恐ろしい合併症を起こさないようにしていきます。

血糖値が高い状態を放置しておくことが、合併症を招きます。
医師や看護師、薬剤師など、医療者のサポートを受けながら、治療をしていくことが明るい未来に繋がります^^

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rina

rina

都内薬局に勤務する現役薬剤師。 勉強会や患者さんとの会話を学びの種にしてブログを運営。 現在、1年間の長期休暇をいただき、海外生活中。