血糖値が高いと言われたら、糖尿病ではないか?とお考えになると思います。
今回の記事では、糖尿病の診断のために、どのような検査項目を使うのか、についてお話します。
目次
糖尿病の診断に使う検査値
糖尿病の診断に使う検査項目は、以下の4つです。
いずれも血液検査で判定できます。
①早朝空腹時血糖値
②75gOGTT
③随時血糖値
④HbA1c
①早朝空腹時血糖値
検査当日の朝食をとらないで測定した血糖値のことです。
126mg/dL以上であると、糖尿病の疑いがあります。
110mg/dL未満であれば、正常値と判断されます。
血糖値が100~109mg/dLの範囲は、正常高値と分類されます。
正常高値は、正常値の範囲内ではありますが、今後糖尿病になりやすい予備軍であるため、現在の状態を知るために、②75gOGTTを勧められることがあります。
②75gOGTT
75gのブドウ糖が入った甘い液体を飲んでから、30分、1時間、2時間後にはかった血糖値のことです。
糖分を摂ると、血糖値が上がりますが、糖尿病の人では 、血糖値の上昇を防ぐインスリンの働きが悪く、健康な人とは異なった血糖値の変動がみられることがあります。
まだ糖尿病と診断されるまでは進行していない、糖尿病予備軍も見つけることができます。
200mg/dL以上では、糖尿病の疑い、140mg/dL未満では正常値と判断されます。
正しい結果を出すために、検査前10時間、水以外の飲食は禁止です。
③随時血糖値
食事とは関係なく、はかった時点の血糖値のことです。
200mg/dL以上では、糖尿病の疑いと判断されます。
④HbA1c
最近2か月間の血糖値の推移を表す検査値のことです。
ヘモグロビンエーワンシーと読みます。
血糖値は、検査の前日夜や当日朝の食事を見直すだけで、ある程度の改善がみられるため、糖尿病を見逃してしまうことがあります。
しかし、HbA1cは検査前数日だけ見直しても誤魔化すことができないため、前回の病院受診からの生活状況を確認することができます。
6.5%以上では糖尿病の疑いと判断されます。
※2012年からHbA1cの表記の仕方が、日本だけのものから国際基準に合わせたものに変更となりました。
正常値もそれに伴って変更になっているため、以前から治療を受けている方は、誤解しやすいかもしれません。
糖尿病の診断方法
先にあげた検査値の①~③のいずれかと④で、同時に糖尿病の疑いがある基準に当てはまった場合、糖尿病と診断されます。
①~④のいずれかが当てはまった場合には、糖尿病の疑いありと診断され、後日(できれば1か月以内)再検査になります。
再検査の日に①~③で再度、糖尿病の疑いが見られた場合には、糖尿病と診断されます。
まとめ
糖尿病の診断には、血糖値の情報が不可欠です。
糖尿病の管理やインスリンの働きを調べるために、今回ご紹介した項目以外の検査値を用いることもありますが、診断に使用されるのはこの4種類です。
糖尿病とは診断されない、予備軍であっても、長く元気に生活するためには、血糖値の上昇に気を付けて生活することが大切です。
治療が必要でない方でも、今の状態が悪化しないように、食事や運動を見直していくことが大事だと思います。

rina

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