名前に「PF」とつく目薬は、少し変わったお薬で、使う際に注意が必要です。
PF容器の目薬とはどんな薬なのか、処方された場合に薬局でどのような指導をしたらよいのか、についてお話します。

スポンサーリンク




PF点眼液とは?

PF点眼液は、日本点眼薬研究所が販売している、PFデラミ容器に入った防腐剤なしの医療用目薬のシリーズです。
PFとは、Preservative Freeの略です。


ジェネリック医薬品として、主に緑内障の目薬で開発されています。

目薬の容器に細かいフィルターがついているため、外部からの細菌の侵入を防ぎ、薬を無菌に保つことができます。
このため、通常の目薬には配合されている防腐剤がなくても、薬を清潔に保つことができます。

防腐剤フリーの利点

緑内障の患者さまは、眼圧のコントロールの為、長期間にわたって毎日、目薬を使う必要があります。
短い期間であれば、あまり問題にはならないのですが、長期間の使用となると、防腐剤が目の角膜を傷つける副作用が出てくる場合があります。

PF点眼液のシリーズでは、すべてが防腐剤なしで作られているので、防腐剤による副作用やアレルギーを避けることができます。
※PF点眼液シリーズ以外にも、1回使い切りタイプの目薬では、防腐剤なしで作られている商品があります。

PF点眼液シリーズを使ってみたいときはどうしたらいい?

PF点眼液は、ジェネリック医薬品の1つです。
処方医がジェネリック医薬品への変更を禁止していなければ、薬局で申し出ることで変更することができます。

現在PF点眼液として販売されている目薬は以下の通りです。

1本当たりの値段は、2018年7月現在のものなので、ご参考程度にお願いします。
PF点眼液は、名前の後半部分が”PF点眼液〇%「日点」”と共通なので、一部省略しています。

先発品名(値段/本) PF点眼液(値段/本) 効果
キサラタン点眼液0.005%(1514.25円) ラタノプロスト(898.25円) 眼圧を下げる
レスキュラ点眼液0.12%(1590円) イソプロピルウノプロストン(940.5円) 眼圧を下げる
ミロル点眼液0.5%(1828.5円) レボブノロール塩酸塩(1326.5円) 眼圧を下げる
ハイパジールコーワ点眼液0.25%(1604.5円)
ニプラノロール点眼液0.25%(1178円)
ニプラジロール(1030円) 眼圧を下げる
チモプトール点眼液0.25%(727.5円)
チモプトール点眼液0.5%(1065円)
チモレート0.25%(291円)
チモレート0.5%(426円)
眼圧を下げる
ミケラン点眼液1%(894.5円)
ミケラン点眼液2%(1194.5円)
プロキレート1%(544円)
プロキレート2%(747.5円)
眼圧を下げる
ヒアレイン点眼液0.1%(366.6円) ヒアルロン酸ナトリウム(152.2円) ドライアイ
リザベン点眼液0.5%(581.9円) トラメラス(569.6円) アレルギー
インタール点眼液2%(604.8円) クモロール(359円) アレルギー
ザジテン点眼液0.05%(610.1円) ケトチフェン(361.9円) アレルギー
リンデロン点眼点耳点鼻液0.1%(328円) リンベタ(109円) 炎症止め
ジクロード点眼液0.1%(361円) ジクロスター(200円) 炎症止め

PF点眼液の使い方

PF点眼液シリーズが他の目薬と使い方について異なる点は、最初に使う際に開栓作業が必要なことです。
普通、目薬は蓋を開けたらすぐに使えるようになっていますが、PF点眼液シリーズはそうではありません。
新品の状態では、薬液がでてきません。

真ん中を両方の親指で強く押して開栓作業を行ってください。

空気が抜けたような感じがします。
微妙な感覚なので、モノによっては気づかない商品もあるかもしれません。

薬液が出てこないからと言って、目薬を分解したり、とがったものを刺したりしないでください。

PF点眼液は向いてない人もいる

PF点眼液シリーズは、他の目薬よりも硬く、目薬をさすのに力が要ります。
子供やお年寄りなど、指先の力が弱い方では使いづらいかもしれません。

容器が硬すぎて使いづらさを感じたら他の目薬に変更してもらいましょう。

編集記

先日、眼科へコンタクトの定期健診へ行ってきました。
目がゴロゴロすることがあると訴えたところ、保湿の目薬『ヒアルロン酸ナトリウムPF点眼液0.1%「日点」』を渡されました。

病院で処方箋をいただいて、薬局に持参するのではなく、眼科でそのまま目薬をいただいたので、特に使い方の説明はありませんでした。
ですが、この目薬は少し使い方に注意が必要なものだと薬局では説明しているものでした。
実際に使用してみて、渡す際には説明が必要だと強く感じました。

The following two tabs change content below.
rina

rina

都内薬局に勤務する現役薬剤師。 勉強会や患者さんとの会話を学びの種にしてブログを運営。 現在、1年間の長期休暇をいただき、海外生活中。