今回のテーマは、統合失調症の新薬『レキサルティ』の服薬指導のポイントです。
目次
レキサルティとは?
2018年4月に発売された統合失調症の新薬です。
SDAM(セロトニン-ドパミン アクティビティ モジュレーター)という新しい作用機序を持っています。
D2受容体と5-HT1A受容体に部分作動薬として作用し、5-HT2A受容体を阻害する働きを持っています。
部分作動薬であるため、ドパミンやセロトニンが過剰な時には抑え、不足しているときには補う効果を期待することができます。
エビリファイもD2受容体部分作動薬ですが、レキサルティではこれに加えてセロトニンへの作用も持っています。
エビリファイとの詳しい比較はこちらの記事から。
また、体重増加や鎮静の副作用につながるH1受容体、認知機能や抗コリン性の副作用につながるM1受容体に対しては親和性が低いとされています。
レキサルティの飲み方
1日1回1㎎から開始し、4日以上の間隔をあけて増量し、1日1回2㎎を維持量とします。
食事の影響は受けないため、患者本人が習慣にしやすいタイミングを選択することができます。
4㎎までは臨床試験で使用したデータがあり、安全性が示されています。
効果が見られるまでの時間は?
薬の効果を実感するまでの時間は、数日~数週間と幅広く、個人差が大きくなっています。
副作用がなければ、効果がみられなくても3~6週間は継続することがあります。
レキサルティの副作用は?
報告が多かった副作用は、アカシジア(5.7%)、高プロラクチン血症(4.0%)です。
抗精神病薬で高頻度に報告される体重増加や鎮静の副作用は、比較的少なくなっています。
体重増加の副作用は、平均1年で1.5㎏程度と報告されています。
糖尿病の副作用は?
他の多くの抗精神病薬と同様に、確率は低いものの糖尿病を悪化させる可能性があるため、注意が必要です。
慎重投与とされており、禁忌にはなっていません。
服薬指導で大事な点まとめ
・1日1回食事に関係なく服用できる
・体重増加の副作用が少ない
・糖尿病は禁忌でないが、注意が必要

rina

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