今回のテーマは、2016年1月に発売開始された痛み止めの湿布、『ロコアテープ』です。

ロコアテープは湿布薬ですが、内服の鎮痛剤と同等の血中濃度を得られる効果の高い薬です。
そのため、他の湿布薬にはない制約があります。

今回はロコアテープに特徴的なその制約についてメインにお伝えします。

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1日の使用枚数制限

ロコアテープの使用枚数は1日2枚までに制限されています。
これは、ロコアテープの吸収性が高く、2枚の貼り付けで、経口NSAIDsと同等の血中濃度に達してしまうからです。

ロコアテープの添付文書の用法・用量の欄には、以下のように記載があります。

本剤2枚貼付時の全身暴露量がフルルビプロフェン経口剤の通常用量投与時と同程度に達することから、1日貼付枚数は2枚を超えないこと。本剤投与時は他の全身作用を期待する消炎鎮痛剤との併用はできる限り避けることとし、やむを得ず併用する場合には、必要最小限の使用にとどめ、患者の状態に十分注意すること。

ロコアテープと経口NSAIDsとの併用は可能か?

製薬会社のデータでは、経口NSAIDsとの併用はロコアテープ使用者のうちの8.3%で行われていると報告されています。
ですが、添付文書にも記載されているように、ロコアテープと経口NSAIDsとの併用は望ましくありません。

やむを得ず併用する場合で許容されるのは、東京都の場合、経口NSAIDsの頓服使用までではないかと言われています。
具体的には、頓服10日分までの使用であれば可能であり、継続的にDO処方で使用する場合には保険の適応とならないとのことです。

ロコアテープと他の湿布剤との併用は可能か?

ロコアテープは、湿布薬ですが、その効果から保険上は経口NSAIDsと同等の扱いを受けます。
ロコアテープと他の湿布剤の併用は、経口NSAIDsと湿布剤の併用と同じように考えられるため、保険上も問題なく併用ができます。

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rina

rina

都内薬局に勤務する現役薬剤師。 勉強会や患者さんとの会話を学びの種にしてブログを運営。 現在、1年間の長期休暇をいただき、海外生活中。