今回のテーマは、高コレステロールの新薬『レパーサ』の服薬指導のポイントです。
目次
レパーサとは?
2016年4月に販売開始された、高コレステロール血症の新薬です。
PCSK9に対する抗体製剤で注射剤であり、強力にLDLを下げることが特徴です。
レパーサは、肝臓のLDL受容体の再利用を阻害するPCSK9を抑えることで、LDLの肝臓への取り込みを増加させて、血中のLDLを減らします。
ヒト型抗体であるため、耐性ができづらく、アレルギーも起こりづらいことが期待されています。
ペン、シリンジ、オートミニドーザーの3つの剤型があります。
ペンとシリンジは140㎎規格、オートミニドーザーは420㎎規格になります。
レパーサの使い方
ペンおよびシリンジは、140㎎(1本)を2週に1回、または420㎎(3本)を4週に1回注射します。
オートミニドーザーは、420㎎(1キット)を4週に1回注射します。
コレステロール値が重度に上昇する、家族性高コレステロール血症ホモ接合体では、420㎎を2週に1回使用することがあります。
レパーサは、スタチン系薬剤(HMG-CoA還元酵素阻害剤)との併用が必須となります。
調剤の際には、レセプトに使用しているスタチン系薬剤の名称の記載が必要です。
保存の仕方は、2-8℃の冷蔵庫内になりますが、冷えた薬液は注射時の痛みのもとになるため、使用前30分くらいから常温に戻しておきます。
レパーサでLDLコレステロールはどのくらい下がる?
レパーサによるLDLコレステロールの減少幅は大きく、20-30mg/dL程度まで下がる方もいます。
健常人でも見ることのないような低値まで減少しますが、特に心配はいりません。
併用スタチンはどのくらいの用量で用いるか
レパーサは、スタチン系薬剤との併用が必須です。
スタチンは、副作用の出ない最大量で使用することが勧められています。
ですが、副作用がすぐに出てしまって、スタチンを全く使えない方もいます。
その方が使うことのできる最大量が基準になりますので、例えば「メバロチン5㎎を2日に1回使用」という用量でも可能です。
レパーサの副作用は?
注射剤ということから、注射部位が赤くなったり、硬くなったりすることがあります。
また、スタチン系薬剤との併用されるため、CK上昇や筋肉痛の副作用がみられることもあります。
使用後の注射、キットの捨て方は?
レパーサの3剤形は、すべて最初から針が装着されています。
そのため、一般ごみとして廃棄することができません。
医療機関で回収して、感染性廃棄物として廃棄します。
製薬企業から回収用BOXが配布されているので、必要があれば取り寄せるのもよいでしょう。
服薬指導で大事な点まとめ
・2週または4週に1回注射を行う
・注射30分前くらいに冷蔵庫から出して常温にもどす
・スタチン系薬剤との併用が必須
・LDL20-30㎎/dLとかなりの低値になることがある
・使用後の機材は医療機関で回収する

rina

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