今回は前回記事に引き続き、糖尿病治療薬についてです。
速効型インスリン分泌促進薬の特徴や使い分けについてまとめます。
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目次
速効型インスリン分泌促進薬とは?
速効型インスリン分泌促進薬は、SU剤と同じように作用機序を持ちます。
膵β細胞上のSU受容体に結合して、インスリンの分泌を促します。
SU剤との違いは、その作用時間になります。
SU剤について詳しくはこちらから。
SU剤と速効型インスリン分泌促進薬の違いは?
前述したように、SU剤と速効型インスリンの作用機序は同じです。
二つの種類の薬の差は、作用時間の違いです。
SU剤の作用持続時間は12~24時間ですが、速効型インスリン分泌促進薬は3時間程度でかなり短いです。
そのため、低血糖に陥った際に、SU剤のように回復後にまた戻ってしまう、ということが少なく、安全性が高くなっています。
また、作用発現までの時間も短くなっています。
服用後すぐにインスリン分泌が起こされるため、食直前(食前5分以内)に飲む必要があります。
薬を飲んだ後に、食事をとれないことがあると、低血糖の原因になりますので、注意が必要です。
使うのに注意が必要な人は?
重度の腎障害の方、透析を行っている方は注意が必要です。
ナテグリニド(スターシス、ファスティック)は、上記の方々には禁忌となっています。
ミチグリニド(グルファスト)、レパグリニド(シュアポスト)にも慎重投与となっています。
速効型インスリン分泌促進薬でどのくらい血糖値が下がる?
個人差はありますが、単独使用した際に、HbA1cが0.5~1%程度改善すると言われています。
ナテグリニドはグルカゴンを抑える
3つの薬のうち、ミチグリニドとレパグリニドはインスリンの分泌をうながす働きしか持っていませんが、ナテグリニドは、グルカゴンの分泌を抑える働きも持っています。
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rina
都内薬局に勤務する現役薬剤師。
勉強会や患者さんとの会話を学びの種にしてブログを運営。
現在、1年間の長期休暇をいただき、海外生活中。

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