持病があっても旅行はしたいですよね。
飛行機に乗るときにインスリンはどうしたらいいの?
液体だから持ち込めないのでは?
こんなお悩みをお持ちの方もいらっしゃるかと思います。
今回は、飛行機に乗るときのインスリンの管理方法についてお伝えします。
目次
インスリンはトランクに預ける?それとも機内持ち込み?
まず、インスリンを旅行に持っていく際に、トランクに入れて預けるのか、手荷物として機内に持ち込むのかが大きなポイントとなります。
この答えは、機内に手荷物として持ち込むが正しい選択肢です。
なぜインスリンをトランクに入れて預けてはいけないのか?
インスリンを預けていけない理由は、貨物室の温度がとても低くなるからです。
飛行機が通る上空1万メートルは、外の気温がマイナス50℃以下にもなりますので、貨物室の温度も氷点下になる可能性があります。
インスリンは液体なので、凍ると膨張し、機械が壊れてしまい、正しい量が出なくなる可能性があります。
インスリン1単位は0.01mLと微量であるため、少しの狂いが重大な低血糖を招く原因になりかねません。
安全にインスリンを使用するために、機内への持ち込みをしてください。
保温バッグに入れればトランク持ち込みも大丈夫?
患者さまから、保冷バッグを使えば、トランクに入れても大丈夫なのではないかとご指摘をいただきました。
残念ながら、このことに対する製薬会社からの公式のデータはないのですが、小林自身が少し考察をさせていただきます。
以下のWebページでは、100℃のお湯がどのくらい温かく保てるかについて、保温弁当箱の保温力の比較をしています。
この中に、保温機能なしのお弁当を保冷バッグに入れて、温度変化を見たものがあります。
それによると、1時間後には100℃から60℃近くに下がり、3時間後にはほぼ室温にまで温度が低下していることが分かります。
インスリンを貨物室に乗せた場合、保温バッグに入れていたとしても、周りの温度に合わせて急激に温度が下がり、凍ってしまう可能性が高いものと思われます。
やはりインスリンをトランクに入れて預けてしまうのは、適切ではありません。
インスリンの機内持ち込みの方法は?
機内持ち込みの手荷物には、液体の制限があります。
インスリンも液体ではありますが、基本的には医薬品は液体の制限に入らないとされています。(参照→ANAのWebページ)
かみそりなどの危険物を機内へ持ち込めないとはされていますが、針についても持ち込みは可能です。
未開封のものを準備するようにしてください。
ですが、航空会社によって扱いが異なる場合もありますので、事前にインスリンの持ち込みをすることを伝えて確認しておくと安心です。
インスリンはX線検査や税関でひっかかる?
飛行機搭乗前のX線検査や税関検査で、インスリンがとめられることがあります。
インスリンが必要であることを説明するために、処方箋のコピーや医師の診断書を携帯すると便利です。
国内であれば、説明してすぐに通れると思うのですが、海外で説明するのはなかなかむずかしいのではないでしょうか?
そこで、糖尿病協会が発行している英文カード(Diabetic date book)をインスリンと一緒に持参することをお勧めします。
これがあれば、英語で糖尿病であること、インスリンが必要であることを証明することができます。
事前に主治医に英語で記入をしてもらいましょう。
英文カードは医療機関で取り寄せてもらうことができます。

rina

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