糖尿病治療中の方でも、必要な注意さえ守れば、旅行が可能です。
今回は、海外旅行をするときに役に立つ、Diabetic Date Book(英文カード)についてご紹介します。

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Diabetic Date Book(英文カード)とは?

日本糖尿病協会が発行している、糖尿病患者さん向けの資料の1つです。
5か国語で、糖尿病患者であることを記載してあり、現在使用中の薬や治療の経過、合併症など詳しい状態について英語で記載できる書類です。

Diabetic Date Bookに書かれている内容は?

Diabetic Date Bookは、海外旅行に行く際、周りに自分が糖尿病であることをわかってもらい、適切に対応を受けるための書類です。
具体的に、どのようなことが書かれているのか、ご紹介します。

表面に書かれていること

表面の右半分には、「私は糖尿病患者です」という文章を、英語とフランス語、スペイン語、中国語、ハングル語で記載しています。
下には名前を記載するスペース、発行元の日本糖尿病協会の名前が記載されています。

表面の左半分には、英語で低血糖症状について書かれています。
日本語に翻訳すると、下記のようになります。

もし私が意識を失っていたり、もうろうとしていたり、おかしな行動をしていた場合、
糖尿病の薬やインスリンの効きすぎのせいで
低血糖になっている可能性があります。

私にグルコース(砂糖)を食べさせてください。
糖分の入ったソフトドリンクでも構いません。

10分以内に回復すると思います。

裏面に書かれていること

裏面の左半分には、現在使用しているインスリンの量や薬の名前について書く欄が設けられています。

日付(日/月,年)
○○さんは、○○kcalの食事療法を行い、以下の薬で治療をしています。

インスリン単位数記載欄
朝(前/朝食後)
昼(前/昼食後)
夜(前/夕食後)
寝る前

その他の使用している薬の記載欄

裏面の右半分は、現在の検査値を記載する欄が設けられています。
糖尿病がどの程度コントロールできているのかを知ることができます。

●体重、BMI
●血糖値、空腹時血糖、食後(○時間後の)血糖
●HbA1c
●血圧
●心電図(正常/異常)
●網膜症(なし/軽症/中等度/視覚障害あり)
●腎症(BUN,クレアチニン、蛋白尿)
●腎症(重症度)

医師のサイン欄
医療機関名
緊急時の連絡先(日本)

Diabetic Date Book(英文カード)はどこで手に入る?

患者さんは、医療機関でご相談くだされば、お渡しすることができます。
カードの記載には、時間がかかる可能性もありますので、旅行前に余裕をもって依頼をしておくことをお勧めします。

医療機関の方は、日本糖尿病協会事務局に連絡することで、手に入れることができます。
事務局に電話をすると、提携製薬会社のリストがFAXを送ってくれますので、取引のある製薬会社に依頼をすると1週間以内には手に入ると思います。

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rina

rina

都内薬局に勤務する現役薬剤師。 勉強会や患者さんとの会話を学びの種にしてブログを運営。 現在、1年間の長期休暇をいただき、海外生活中。