今回のテーマは、糖尿病の方の海外旅行についてです。
持病があるからと言って、旅行をあきらめる必要はありません。
でも、糖尿病だから旅行先で万が一のことがあったら怖い…
糖尿病治療中の方が安心して旅行に行くための、備えについてお伝えします。
目次
①薬の持ち込み申告
薬は体調の維持のために重要なものですが、麻薬や違法ドラッグの取り締まり上、出入国時に事情を聴かれることがあります。
自分にとって必要な薬であるということを説明できるようにしておきましょう。
医師の診断書や処方箋のコピー、Diabetic Date Bookを携帯しておくと安心です。
また、インスリンは預け荷物にしてしまうと、凍結の恐れがあるため、機内持ち込みが必須です。
航空会社にインスリンを持ち込むことを、あらかじめ伝えておくとスムーズです。
インスリンの機内持ち込みについては、こちらの記事でも詳しく説明しています。
医師の診断書
自分が糖尿病であるということを証明する文書です。
お願いすれば、日本語だけでなく、英語での記載も可能です。
診断書の作成料は定められていないため、医療機関によってまちまちです。
2000~5000円の料金がかかることが多いようです。
また、診断書の作成を依頼しても、即時に書いてもらえる医療機関ばかりではないようです。
準備にどのくらい時間がかかるのか、前々から確認しておくとよいでしょう。
処方せんのコピー
処方箋のコピーを用意しておくことで、持参している薬が治療に必要であることを証明することができます。
処方せんの原本は、薬局で回収されてしまいますが、コピーは申し出ればもらうことができます。
無料もしくはコピー代数十円で手に入れられるでしょう。
Diabetic Date Book(英文カード)
自分が糖尿病であること、使用している薬、現在の検査値などを英語で記入できるカードです。
これを見せれば、日本語の通じない海外でも、自分の状態や薬の必要性についてわかってもらえます。
出入国の際に質問されても安心です。
また、海外でケガをしたり、急に体調が悪化したりと、病院にかかる可能性もあります。
この際にも、現在の糖尿病の状態や使っている薬について、伝えることができるので安心です。
②低血糖の対策
糖尿病の患者さんが、最も注意するべきなのは低血糖です。
普段から血糖値がコントロールされていても、その日の食事内容や体調、活動内容によっては、低血糖を起こす可能性があります。
血糖値を上げる飲み物、食べ物を用意する
低血糖に対処するための糖分を常に携帯しましょう。
糖の含まれたジュースは吸収が早いのでお勧めです。
使用している薬によっては、ジュースよりもブドウ糖が適している場合もあります。
自分の使っている薬は、低血糖になった時にどうしたらいいのか、事前に確認しておきましょう。
糖尿病カードを携帯する
低血糖にきづいて、自分で対処ができるのが最善ですが、意識がもうろうとしたり、失ったりしてしまう可能性もあります。
意識を失ってしまった際に、周りの人が対応できるよう、自分が糖尿病であると記載されたカードを携帯しましょう。
先にご紹介したDiabetic Date Book(英文カード)は、糖尿用カードの役割も持っているので、海外旅行時には持っていくことをお勧めします。
備えあれば憂いなし
自分が糖尿病だからと言って、旅行をあきらめる必要はありません。
ですが、旅行を安心して楽しむために、少しの備えをしておくことが大切です。
必要な資料があれば、医療機関でご相談ください。

rina

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