今回の記事では、2018年夏に発売された新薬、ベオーバについてまとめていきます。
ベオーバとは?
ベオーバは、2018年9月に発売された、過活動膀胱を改善する新薬です。
アドレナリンβ3受容体を選択的に刺激することで、膀胱の筋肉を緩めて、ためられる尿量を増やすことで、過活動膀胱を改善します。
β3アゴニスト(β3受容体作動薬)であること、Over Active(過活動)膀胱の治療薬であることを組み合わせて、ベオーバと名づけられました。
ベオーバの飲み方
50mgを1日1回食後に飲みます。
ベオーバの吸収は、食事の影響を受け、食前では十分に吸収されないため、食後の服用が勧められます。
ベオーバの副作用
1%以上の頻度で報告されているのは、口内乾燥と便秘です。
頻度不明で尿閉の注意喚起がされているものの、臨床試験では、重大な副作用は特にみられていなかったようです。
ベタニスとは、化合物の構造上で酷似しているため、こちらの副作用にも注意すると見逃さずに対応できるのではないでしょうか。
ベオーバの治療効果は?
1日のトイレの回数を2回程度減らし、トイレに間に合わずに漏らしてしまう回数を1回程度減らす効果が期待できます。
7割の方では、トイレに間に合わずに漏らしてしまうことがなくなったという報告もあります。
トイレの回数が減る分、1回あたりの排尿量が増えることも報告されています。
急にトイレに行きたくなる感覚を完全になくすことは難しいですが、回数を減らすことが期待できる薬です。
服薬指導で大事な点まとめ
・食事の影響を受けるため、食後に飲む
・過活動膀胱の症状を完全に抑えるのは難しい
・薬を使うと1回の尿量が増える
現在、40歳以上の12.4%の方、80歳以上では40%程度の方が過活動膀胱であると報告されています。
ですが、治療の効果が実感できないという訴えも多く、1年間治療を続ける方は19-30%程度と低くなっています。
治療によってどの程度の症状改善がみられるのか、あらかじめ説明しておくことで、治療満足度も上がると思われます。
治療継続の助けになるような情報提供が薬剤師に求められると思います。

rina

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