巷では、糖質制限が流行り、糖質を完全にOFFするのがよい、糖質控えればカロリーは気にしなくてOKというような、個人的には極端に思える食事方法が紹介されています。
ですが、糖質制限の効果や長期間に続けた場合の体への影響については、まだデータが少なく、糖尿病が治った!というポジティブなものから、心疾患のリスクを上げると言ったネガティブなものまで、多くの憶測が飛び交っています。

2019年1月現在、糖尿病の方の食事は糖質制限によるものではなく、適切なカロリーを摂ることでコントロールするのがよい、と治療ガイドラインに明記されています。
私自身も、この考え方に賛同しておりますので、今回の記事はそれを踏まえて、血糖値を下げるための食事の工夫についてお伝えします。

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なぜカロリーを抑えることがいいの?

2型糖尿病の多くは、肥満の方に発症しています。
肥満になると、インスリンの効き方が悪くなり、血糖値が上がりやすくなりますが、ダイエットをして体重の5%程度を減らすことで、かなりの改善が見込めます。

ダイエットのためには、摂りすぎているカロリーを抑えることが有効なのです。

また、ダイエットに伴って節制をすることにより、食べすぎによる高血糖も防ぐことができます。

実際、私の父もダイエットにより、大幅な血糖値の改善をしております。

糖質制限を勧めないのはなぜ?

私が極端な糖質制限を勧めないのには、3つ理由があります。

理由①:糖質を一生断つのは難しい

糖質を断てば、確かに痩せますが、一度痩せたら終わりではありません。
痩せた状態を一生キープすることが大事です。

痩せたからと言って、断っていた糖質を解禁したら、またリバウンドしてしまうことが今までの臨床試験で報告されています。

強固な意志を持った方なら、一生糖質を食べない!という誓いも守れるでしょうが、そういった方は稀だと思いますので、一般の方にお勧めできるダイエット法ではありません。

理由②:心疾患リスクを上げる可能性がある?

糖質制限をすると、タンパク質や脂質で糖質分のエネルギーも得なければいけないため、それまで食べていたお米やパンの代わりに、肉や魚の摂取量が多くなります。
これにより、心疾患のリスクが上がるとの報告があります。

ただし、これは動物性の食品を食べる量が増えたためであり、肉の食べすぎを控え、大豆など植物性の食品をとった場合にはリスクが上がらないとの報告もあります。

いずれにせよ、長期間の糖質制限が体に与える影響がまだわからないということです。

理由③:糖質を摂らないことで、食べられない体になる

糖質断ちを一定期間していた方にお話を伺うと、皆さん口を揃えて、炭水化物を受け付けない体になってしまったと言います。

糖質の多い食事、丼ものやラーメン、パスタなどを召し上がると、糖質の少ない食事をとった時に比べて異常に疲れを感じてしまうのだそうです。

糖尿病の疑いがある方に診断のために行う、ブドウ糖負荷試験の前日には、炭水化物を抜かないようにという指導があります。
これは、長期に糖質摂取を抑えると、インスリンの分泌能が低下し、負荷後の血糖値が高くなってしまうからです。

検査前日の1日だけでなく、もっと長い期間で糖質を抜いていれば、インスリンの分泌能は低くなり、今まで高血糖にならずに食べられたものが食べられなくなる、ということは考えられると思います。

摂取カロリーを抑える方法

極端な糖質制限をせずに、適切な食事バランスの中で、カロリー制限をして体重を落とすべきだ、という意見を述べてきましたが、具体的にどのような工夫をすれば、カロリーを抑えることができるのか、ご紹介します。

①ご飯の量を少なめにする

定食屋さんに行くと、ご飯の量を聞かれることがあります。
大盛やおかわりが無料のお店だと、ついついたくさん食べたくなりますが、ここでご飯少な目を注文します。

ご飯を残すのは、もったいないですし、出された分の量はどうしても完食しがちです。
最初から少な目の量にしてもらうのが良いと思います。

また、自宅では小さめのお茶碗を用意することがおすすめです。
小さい器でも満タンに入っていれば、大きい器に少しだけ入っているよりも、少なく見えづらいので、見た目からも満足感を得ることができます。

②まずは菓子を減らしましょう

お菓子は、その大きさとは裏腹に高カロリーなものが多いです。
例えば、ポテトチップスは1袋で300kcal、アーモンドチョコレートは1箱で500kcal以上もあります。

食事の量を減らすよりも、まずは間食で食べるお菓子の量を見直しましょう。

1日にどれだけ食べたのか把握しづらい場合には、お菓子の包み紙を捨てずにとっておいて、夜に数えるのが良いと思います。

市販のお菓子は、砂糖がたっぷり含まれていて、血糖値を急激に上げますが、腹持ちは悪く、すぐにお腹が減ってしまいます。
良質な脂質がとれるナッツ類や70%以上のハイカカオチョコレート、カルシウムもとれる乳製品などがおすすめです。

また、最近のコンビニエンスストア(特にナチュラルローソン)では、糖質やカロリーが控えめのヘルシーなお菓子を多く取り扱っています。
どうしてもスナック菓子が食べたいときに、ポテトチップスの代わりに、こんにゃくチップスを食べるのはいかがでしょうか?

③揚げ物を避けましょう

同じ食材でも、その調理法によってカロリーが大きく変わってきます。
最もカロリーが高くなる調理法は”揚げる”です。

3大栄養素(糖質、脂質、タンパク質)のうち、脂質は1g当たりのカロリーが9gと最も高くなっています。
揚げ物にすることで、衣や食材が油をたっぷり吸いますので、カロリーが高くなります。

揚げる、炒める、煮る、蒸す、ゆでるの順にカロリーが高いですので、なるべくカロリーが低くなる調理法を選ぶのも一つのアイディアです。

④野菜の量を増やす

野菜は、ビタミンや食物繊維が豊富で、カロリーは低めです。
たくさん食べてもカロリーオーバーにはなりませんので、量を食べたいときには野菜を増やしていただければ良いと思います。

野菜をとる際には、注意点もありますので、以下の2点にもお気を付けください。

タンパク質不足に注意

野菜ばかりをとっていると、ミネラルや食物繊維は取れますが、タンパク質が不足してしまいます。
糖質や脂質は取りやすいので、不足することはめったにないですが、タンパク質は意識して取らないと不足してしまいます。

鶏肉や魚などヘルシーな動物性食材も取り入れてください。

イモ類には注意

ジャガイモやサツマイモなどのイモ類は、野菜というよりもお米に近い成分です。
糖質がたくさん含まれていますし、カロリーも高めなので、他の野菜のように好きなだけ食べてしまうとカロリーオーバーにつながります。

まとめ

世の中には医師が提唱するものから、怪しいものまで、さまざまな健康法や食事法があふれています。
流行り廃りはありますが、個人としては、様々な種類のものを適量でバランスよく、昔から続いてきた習慣を守るというのが、一番体に良いと思っています。

明日から少しの工夫を取り入れて、気軽にカロリーをセーブしてみませんか?

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rina

rina

都内薬局に勤務する現役薬剤師。 勉強会や患者さんとの会話を学びの種にしてブログを運営。 ここ1年間で12㎏増えた体重をもとに戻すべく、ダイエット中。糖尿病に対する専門知識を生かし、健康に美しく痩せる方法を模索中。