新人薬剤師の時は、わからないことばかりでどこから学べばいいか、見当もつかないことかと思います。
服薬指導で何を説明したらいいのかわからない
患者さんに何を聞かれるかわからなくて怖い
処方せんの意図がわからない
添付文書に書いていない用法で処方されている
このような悩みがあるのではないでしょうか?
小林自身、今でこそ服薬指導をスムーズにこなせますが、新人時代には毎回の服薬指導が緊張して怖くて仕方ありませんでした。
私自身が新人の頃に読んで、役に立った書籍についてご紹介します。
目次
「服薬指導のツボ」虎の巻
服薬指導の参考書として、まず最初に手に取っていただきたい書籍です。
風邪や花粉症などの小さなクリニックでよくみられる疾患から、高血圧や糖尿病などの慢性疾患まで、病気別に章分けされてまとまっています。
代表的な処方例がまず紹介され、禁忌や併用注意といった相互作用が続きます。
この書籍の最も優れているところは、実際の服薬指導の例が紹介されていることです。
抗生物質の飲みきりを指導する際の例が、以下のようにそのまま患者さんにお話しできるような口語調で紹介されています。
抗菌薬は決して飲み忘れてはならない薬です。
自分勝手に服用をやめたりすると、細菌も賢いので薬が効かなくなり(耐性菌)、服用していないのとおなじことになるからです。
(「服薬指導のツボ」虎の巻/日経ドラッグインフォメーション編、杉山正康著)
服薬指導の経験を積むうちに、この薬を渡すときはこの注意点を話す、というようにパターン化してお話しできるようになります。
何を言ったらよいのか見当もつかないという新人さんに、まず最初に読んでいただきたい一冊です。
日経DIクイズ BEST100
月刊の雑誌、日経ドラッグインフォメーションDIで連載している、日経DIクイズのコーナーのみをまとめて書籍化したものです。
DIクイズの本は、2019年2月現在で19巻まで発売されていますが、その11~15巻に掲載された中から100問を厳選してまとめられたものがこちらの書籍です。
実際の処方内容と患者さんの相談内容が最初のページに、続くページで解説と服薬指導例が記載されています。
添付文書には書かれている用法とは異なるものの、よく見られる処方例や、患者さんが疑問に感じやすい内容をわかりやすく紹介しています。
処方箋を見ること、服薬指導に慣れ、処方意図を理解できるようになりたいと思い始めた薬剤師さんに是非読んでいただきたい一冊です。
また、DIクイズ1~10巻のダイジェストとして、以下の2冊も発売されています。
西洋医がすすめる、カラダが瞬時によみがえるサイエンス漢方
漢方薬は、添付文書の書き方が独特で苦手意識を持つ方も多いのではないでしょうか。
例えば、葛根湯の添付文書の効能効果の欄には以下のような記載がされています。
自然発汗がなく頭痛、発熱、悪寒、肩こり等を伴う比較的体力のあるものの次の諸症
感冒、鼻かぜ、熱性疾患の初期、炎症性疾患(結膜炎、角膜炎、中耳炎、扁桃腺炎、乳腺炎、リンパ腺炎)、肩こり、上半身の神経痛、じんましん
例えば、風邪と乳腺炎は全く異なる疾患ですが、同じ量を使っていいのでしょうか?
効果はどのくらいで現れるのでしょうか?
このような疑問に端的に応えてくれる内容となっています。
医療者ではない一般の方向けに書かれた本なので、わかりやすく読みやすいものになっています。
くすりのかたち
大学での有機化学の講義は、難解で苦手だったという方も多いことかと思います。
習ってきた難しい反応式も、実践ではほとんど(全く)活用する機会がなく、過去のものとなっている方も多いのではないでしょうか?
この書籍では、実践で使える薬の構造式の読み方について解説しています。
難しい化学式を暗記しなくてもわかることがあるんだ!ということを実感してもらえるものと思います。
医師や看護師など他の医療者よりも薬剤師が強い分野は、化学です。
強みを伸ばしていくためにも、読んでいただきたい一冊です。

rina

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