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PF点眼シリーズは本当に防腐剤フリー?
PF点眼液シリーズは、無菌フィルターのついた容器を採用することで、防腐剤を添加することなく長期の安定性が実現された目薬です。
使い方についてはコチラから。
ですが、PF点眼液の添加物の欄を見ると、防腐剤として使われている『ホウ酸』が含まれています。
ホウ酸、トリメタモール、ポリオキシエチレンヒマシ油、エデト酸ナトリウム水和物、pH調節剤
ラタノプロストPF点眼液0.005%「日点」の添付文書より
これはどういうことなのか、販売元の日本点眼薬研究所さんに問い合わせを行いました。
日本点眼薬研究所さんの回答は?
問い合わせでいただいた答えは、『ホウ酸は防腐剤としての効果を期待して添加しているものではない』とのことでした。
ホウ酸の詳しい添加量については、企業秘密のため教えてもらえませんでしたが、防腐剤として使用するときとは加える量が異なっているということでした。
防腐剤フリーの目的は角膜への負担やアレルギーを軽減すること
そもそもなぜ防腐剤フリーの目薬が求められているのかというと、もともと使われていた防腐剤が長期に使用することで、目に負担をかけていたからです。。
従来、防腐剤として広く使われていた『ベンザルコニウム』や『パラオキシ安息香酸』などは、細胞毒性が強いため、長期に使用することによりアレルギー反応を起こしたり、角膜に傷をつけたりすることがありました。
緑内障のように毎日、長期間にわたって使う必要のある薬では、「目がゴロゴロする」とうったえて、角膜の傷の治療のために、ヒアレインなどのヒアルロン酸の点眼液が追加になる方が少なくありません。
※ヒアルロン酸の点眼液は、角膜の傷だけでなく、ドライアイなど保湿に使う場合もあります。
防腐剤を使わないで済むのなら、それが一番かもしれませんが、従来の副作用の強い防腐剤が含まれている目薬から、安全性の高いもので作られたものへと変更するだけでも大きな意義があると思います。
使われている防腐剤の種類も薬を選ぶ基準の一つ
先発医薬品とジェネリック医薬品では、主成分は同じですが、防腐剤などの添加物は異なります。
先発品で防腐剤としてベンザルコニウムが使われていても、ジェネリック医薬品では異なる防腐剤が使われている場合があります。
お薬をジェネリックに変更する際には、どんな防腐剤が使われているのかチェックしてみるのもよいと思います。

rina

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