今回の記事では、高血圧症の新薬である『ミネブロ』についてまとめます。
目次
ミネブロとは?
ミネブロは、2019年5月に販売開始された、血圧を下げる新薬です。
ミネブロは、先に発売されているセララと同じ作用機序を持ち、腎臓の集合管や遠位尿細管に存在する、ミネラルコルチコイド受容体を阻害することにより、血圧を下げる働きをします。
ミネブロの飲み方
2.5㎎を1日1回飲みます。
降圧効果が不十分な場合には、5㎎まで増量が可能です。
半減期が約18時間であるため、1日1回の服用で効果が期待できます。
ミネブロの副作用
ミネブロ服用中にみられた副作用で、1%以上の頻度のものは、血清カリウム値上昇、血中尿酸増加、高尿酸血症がありました。
血清カリウム値上昇
血清カリウム値上昇は4.1%が報告されています。
ミネラルコルチコイドには、ナトリウムイオンの再吸収とカリウムイオンの排泄を促す働きがあります。
ミネブロがミネラルコルチコイド受容体をブロックすることで、カリウムイオンの排泄が妨げられ、血清カリウム値が上昇する可能性があります。
血清カリウム値が5.0~6.0mEq/Lでは、ミネブロの減量もしくは中止が勧められます。
6.0mEq/Lを超えた場合には、直ちに中止することが求められます。
ミネブロの投与開始前、開始2週間、1か月などと定期的にカリウム値を測定することが大事です。
ミネブロ開始後に0.3mEq/L程度のカリウム値上昇がみられる可能性があるようです。
血清カリウム値が高いと、手先や唇のしびれ、悪心嘔吐などの症状が現れます。
尿酸値上昇
血中尿酸増加が1.4%、高尿酸血症が1.0%に報告されています。
ミネブロがどのような機序で尿酸値の上昇に関与されているかは、明らかになっていません。
血清カリウム値を検査する際に、一緒にモニタリングすることが勧められます。
ミネブロの治療効果は?
降圧薬としてミネブロを使用することにより、最高血圧は約20mmHg、最低血圧は約10mmHgの低下が期待できるといわれています。
服薬指導で大事な点まとめ
・1日1回食事と関係なく服用できる
・血清カリウム値と尿酸値の上昇に注意

rina

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