今回の記事では、末梢神経性疼痛の新薬『タリージェ』についてまとめます。

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タリージェとは?

タリージェは、2019年4月に販売開始された末梢神経性障害性疼痛の新薬です。
先に発売されているリリカと同じ作用機序を持ち、シナプス前終末のカルシウムチャネルに結合して、興奮性神経物質の放出を抑えることにより、痛みを改善します。

タリージェの飲み方

初期用量として1回5㎎を1日2回を飲みます。
その後、1回用量として5㎎ずつ1週間以上の間隔をあけて増量し、1日2回1回15㎎ずつを維持量とし、痛みに合わせて適宜増減します。

タリージェの副作用

タリージェを服用した5%以上に確認されたのは、傾眠、浮動性めまい、浮腫でした。
リリカと同じように、眠気、ふらつきの副作用が確認されています。

リリカからタリージェに変更する場合、リリカ300㎎とタリージェ30㎎が同等と言われていますが、このような副作用の発現を抑えるために、必ず初期用量からのスタートが勧められています。

腎機能低下患者では減量が必要

腎機能低下患者では、血中濃度が高くなり、副作用が発現しやすくなるため、用量を少なくしたうえで慎重に使用することが求められます。
添付文書における、腎機能に対応する用量は以下のように記載されています。

腎機能障害の程度(CLcr:mL/min)
軽度
60~90
中等度
30~60
重度(血液透析含む)
30未満
1日投与量 10~30㎎ 5~15㎎ 2.5~7.5㎎
初期用量 1回5㎎1日2回 1回2.5㎎1日2回 1回2.5㎎1日1回
有効用量 最低用量 1回10㎎1日2回 1回5㎎1日2回 1回5㎎1日1回
推奨用量 1回15㎎1日2回 1回7.5㎎1日2回 1回7.5㎎1日1回

タリージェの特徴は?

タリージェの特徴は、維持量までの増量が速やかに行えるという点です。
最短で1週間ごとに薬を増量することができます。

そのため、効果を感じられるまでにかかる期間が短くなっていると言われています。

一包化は可能なのか?

湿気を避けて保存することで、一包化調剤も可能になっています。

リリカとタリージェの併用は保険上大丈夫?

リリカとタリージェは、全く同じ作用機序を持ちますが、今のところ併用が保険で切られることはないようです。
副作用の可能性は、併用により高くなると思われますので、注意が必要です。

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rina

rina

都内薬局に勤務する現役薬剤師。 勉強会や患者さんとの会話を学びの種にしてブログを運営。 現在、1年間の長期休暇をいただき、海外生活中。